写真=全国大会への出場を決めた中さん

 第31回日本クラシック音楽コンクール(日本クラシック音楽協会主催)のピアノ部門大学生の部で、同志社女子大学2年、学芸学部音楽学科演奏専攻の中百花さん=御坊市湯川町財部=が見事本選を突破。12月20日に東京・府中の森芸術劇場ウィーンホールで開かれる全国大会への出場を決めた。極めて難易度の高い曲による合格で、「本番へ向けて表現を磨いていきたい」と練習に励んでいる。

 中さんは幼稚園のころから、御坊市藤田町吉田の藤村ピアノ教室(藤村知江美さん指導)でピアノを学んできた。和歌山市でリサイタルを開くなど活動。同コンクールへは高校生の時から挑戦している。

 今回は、8月に京都市で行われた予選ではメンデルスゾーンの「幻想曲嬰ヘ短調『スコットランド・ソナタ』Op.28」第2楽章、第3楽章を演奏。大阪市での本選で、ショパンの「舟歌 Op.60嬰ヘ長調」を演奏した。ショパンが晩年に作曲した、極めて高度な技術と表現力が求められる曲。藤村さんは「この曲でコンクールに合格するのは難しい。他の曲にしては」と勧めたが、中さんは「これで挑戦したい」と猛練習して臨み、見事パスした。

 中さんは「大好きな曲なので、この曲で合格できてとてもうれしいです。本番へ、より一層豊かに表現できるように練習していきます」と話している。藤村さんは「中さんは小さいころから本当にピアノが好きで、熱心に練習する生徒さんです。音楽で大学を受験すると決めた時の頑張りは相当なものでした。今回演奏した『舟歌』は、楽譜通りに間違えず弾けるだけでは到底合格しない、本当にいろんな音色が求められ、深く豊かな表現力が必要となる曲です。よく頑張ってくれたと思います」と話している。