写真=ひびが入った市役所のガラス

写真=倒れた野口の石像

 

 3日朝の地震で最大震度5弱を観測した御坊市では、市役所の職員が庁舎外へ避難。安全点検のために一時閉鎖した。

 市職員によると、地震発生時、1階市民課の窓口に来訪者が1人おり、避難を誘導。福祉センターで災害対策本部会議を開くとともに、担当職員が庁舎内を点検し、午前10時現在で地下1階3枚、地上1階2枚、2階9枚、3階6枚、4階5枚、5階1枚合わせて26枚のガラスにひびが見つかった。

 安全性に懸念があるため、ほとんどの職員を退避させたまま、市民らの入庁を制限。不安そうな表情で庁舎を見つめる中、午前11時20分に通常の業務に戻した。

 三浦源吾市長は職員に「次も(大きな揺れが)あると思って気をつけるように」と強く指示。この日の午前10時に開会予定だった議会定例会は午前中の開会を取りやめた。

 野口の堤防道路沿いに設置されている安珍・清姫の石像は、2体のうち高さ約2㍍の1体が倒壊。両方の足首の部分から折れ、前方(道路側)に倒れていた。

 このほか、御坊市の日高振興局と日高川町のかわべテニス公園でそれぞれガラス1枚が割れ、御坊市のオークワロマンシティ御坊店は店内の水漏れで午前中臨時休業となった。同社広報担当者によると、水漏れは3階の水道管の破損が原因とみられ、3階のボウリング場以外は全館、午後にも通常通りの営業を再開できそうだという。日高町志賀地内では道路脇の石垣の一部が崩落。印南町内では民家の屋根瓦1枚が落ちた。

 御坊署では揺れが収まって間もなく、署員がパトカーで管内を巡回。午前11時現在、被害は確認されておらず、御坊市、日高広域の両消防にも地震に伴う通報は入っていない。
この地震による停電はなく、道路は渋滞や混乱はなかったが、鉄道はJRきのくに線が地震発生後、印南―湯浅駅間で一時運転見合わせ。午前10時10分に速度を落として運転を再開した。この影響で上下線とも和歌山―串本駅間で最大60分以上の遅れが発生。特急列車2本が運休した。

 県内での震度5弱の地震は今年3月15日に湯浅町で観測されて以来。今後、1週間程度は同じ規模の揺れを伴う地震が起きる恐れがあり、注意が求められている。