写真=高台に完成した新しいこども園舎

 みなべ町の東吉田と南道にまたがる防災拠点エリアに建設が進んでいた新しい幼保連携型認定こども園「みなべ愛之園こども園」の園舎が完成し、24日午後1時から現地で竣工式が行われる。日の光をふんだんに取り入れ、保育室前に屋外テラスを設けるなど開放的な造り。今後は園児同士の交流機会を増やし、来年4月開園へ準備を進めていく。

 町では、安全安心な子育て環境の整備として、津波被害が心配される愛之園保育園、南部幼稚園、南部保育所の3園を1園に統合し、高台に移転する計画を2018年度から具体的に進めてきた。園児数が減少した岩代のひかり保育所園児も来年度から通うことになり、4園を一緒にした施設となる。建設、運営は社会福祉法人イエス団愛之園保育園が担う。

 移転場所は防災拠点エリアの最上段、海抜22㍍の高さにあり、約1万平方㍍の敷地北側に園舎と園庭を整備した。南側にはこれから駐車場を整備する。園舎は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積約2347平方㍍、園庭は約2100平方㍍の広さを確保した。

 保育室は0歳児から5歳児まで11部屋あり、3~5歳児6部屋は南側に面した構造で、ガラスドアを開けると屋外テラスがあり、温かみのある構造。遊戯室兼ランチルームのほか、屋内にいながら天井が吹き抜けになって外の光や風の中で遊べるライトコートも2カ所あり、開放的な空間を演出している。一時預かり保育室や、開園後は児童発達支援にも取り組むことを検討しており、専用ルームを用意している。

 入園児は定員160人のうち、すでに141人が決まっている。職員の研修は夏から始まっており、各園の行事の参観なども行っている。今後は園児の交流も計画しており、12月には3~5歳児約100人が新しい園舎周辺に花の球根を植え、小目津公園で交流遠足も行う。

 施工は東宝・池田特定建設工事共同企業体(澤井憲一代表)。新こども園の園長となる愛之園保育園の神谷羊子園長は「町の大きな支援のもと、素敵な園舎を建設していただき、十分生かして園児に楽しんで登園してもらえることを考えていきたい」と話している。