写真=宇佐八幡神社祭で奉納する阿戸の獅子舞

写真=バイオリニストの小髙根さん

由良町の今年度の文化表彰の受賞者が決まり、文化賞は阿戸の獅子舞保存会(濵﨑拓也会長)が選ばれた。宇佐八幡神社の秋祭りで奉納され、保存会が伝統文化を継承してきた功績が認められた。文化功労賞は衣奈出身で千葉県流山市在住のバイオリニスト小髙根眞理子さん(72)が受賞する。表彰式は11月3日午前9時から役場で行われる。

阿戸の獅子舞は笛、大太鼓、締太鼓、ちゃみせんの囃子に合わせ約50分かけて舞い、山から獅子が下りて野原で牡丹の花に戯れ、のみを取ったり居眠りをしたりする所作がある。地元では「眠り獅子」「寝獅子」と呼ばれている。起源は、江戸時代初期に長崎の船乗りによって伝えられたとされているが、伊勢神楽系統の説もある。1988年に県無形民俗文化財に指定された。これまで県民俗芸能祭に2回出演し、獅子舞の伝統芸能を披露した。98年には町文化功労賞を受賞している。

濵﨑会長は「とても光栄。新型コロナで今年を含めて2年も祭りができなかったのは残念ですが、賞をいただき今後の励みになります。これからも歴史ある獅子舞を継承し、地域を盛り上げていきたい」と話している。

小髙根さんは幼少の頃からバイオリンを始め、大引の中西忠さんに師事した。東京藝術大学を卒業後、ウィーン国立音楽大学に入学。帰国後は「東京ゾリステン」に在籍。都内で独奏、室内楽の活動を展開し、85年から約30年間で東京、千葉、和歌山などで約30回のソロ・リサイタルを開催した。流山市音楽家協会会員、モーツァルティアン・フェライン会員で、日本クラシック音楽コンクール審査員も務めている。「小髙根眞理子ヴァイオリン名曲アルバム」のCDもリリース。

受賞に際し、「とても光栄です。いままでも由良町などでコンサートを開催しましたが、今後もふるさとで演奏し、皆さんに聴いていただければと思います」と話している。