写真=御坊市役所からオンラインで交流会に参加する塩路さん㊥と山際さん㊨

 認知症本人が自分自身の思いなどを発信する「認知症希望大使」の交流会が30日、オンラインで開催され、全国から約30人の大使が参加。御坊市のあがらの総活躍希望大使に任命されている山際裕三さん(82)=薗=と塩路京さん(95)=藤田町吉田=の2人もインターネット画面を通じて生活の様子などを紹介した。

 大使は認知症になっても希望を持って前向きに暮らしている人が自ら情報発信し、認知症に対する理解を深めてもらうことを目的に創設された制度。国が5人を任命しているほか、地域版として都道府県でも任命が進められている。御坊市は市単位で取り組み、今年2月に山際さんと塩路さんの2人を委嘱。2人とも認知症と診断されたあとも、日常生活を楽しみながら生き生きと過ごしている。

 交流会の主催は日本認知症本人ワーキンググループ(藤田和子代表)。東京都、埼玉県、神奈川県、静岡県、愛知県、岐阜県、兵庫県、香川県、大分県の9都県と市単位で取り組んいる御坊市と鳥取市の2市から認知症大使が参加。司会は藤田代表と御坊市役所介護福祉課地域支援係の谷口泰之係長の2人が務めた。最初に大使1人ずつが画面を通じて自己紹介。日頃の生活の様子なども説明し、山際さんは得意のハーモニカで「憧れのハワイ航路」を演奏。塩路さんも毎日書いているという「般若心経」の書を披露した。参加者からは「地域だけでなく、全国の認知症の人と交流ができてよかった」という声が聞かれていた。