写真=瓦や板が飛んできた住宅(美浜町吉原)

 18日早朝、有田市付近に再上陸した台風14号の影響で、日高地方でも17日深夜から18日未明にかけて非常に強い風が吹いた。美浜町吉原や御坊市湯川町丸山では突風が発生。民家の屋根や壁が飛ばされる被害が吉原地内で約50軒、丸山で1軒確認されている。県内は南部を中心に大雨も降り、鉄道や道路の交通機関にも影響が出た。

 台風の接近、通過でアメダス観測所では日高川町川辺で18日午前0時32分に最大瞬間風速20・1㍍を観測。午前1時から3時にかけて和歌山市の友ヶ島での22・9㍍はじめ、白浜町の南紀白浜空港や串本町の潮岬で20㍍を超える非常に強い風が吹いた。

 美浜町吉原地内では吉原西集会所周辺の住宅地で大きな被害が出ており、民家の瓦や屋根が吹き飛び、別の民家に直撃。屋根や窓ガラスが破損した。軒先に停車していた車にも瓦やトタン板がぶつかり、フロントガラスが割れるなどの被害が出ている。住宅地の一角にある大規模なブルーベリー鉢植え栽培も大打撃を受けた。

 同町防災企画課は「いまのところ竜巻らしき突風の被害としか言いようがないが、美浜町でこんな災害は初めて」としている。

 自宅の屋根や車に被害を受けた川砂圭央さん(46)は「夜中の12時過ぎに眠りかかったころ、家の横からバリバリっとものすごい音がして目が覚めました。新築してまだ2年しか経っていないのに…」。400鉢のブルーベリー栽培をしている男性(45)は「9割の鉢が倒されて壊れるなどし、木が根ごと飛び出しています。太陽が出て根が乾く前にとりあえず何とかしなければ」とうなだれていた。

 雨は県の観測情報によると、日高地方では18日午前3時50分までの1時間に由良町の由良で56㍉、畑で55㍉の非常に激しい雨が降り、17日朝の降り始めから18日午前7時までの累積雨量は由良で200㍉を超過。御坊市で1人が自主避難した。県によると、いまのところ人的被害は確認されていないが、道路は御坊市や日高川町、由良町で一時冠水があり、由良町畑やみなべ町高野の県道は崩土で通行止めとなっている。鉄道は特急くろしおが上下線合わせて5本で運転を取りやめ(部分取りやめ含む)、きのくに線の普通列車は上下線合わせて21本で運休。9本で26~124分の遅れがあり、約1500人に影響が出た。