写真=今月上旬には天日干しの様子を撮影

 みなべ町内の梅生産者らでつくる農業振興協議会(小田修会長)は、新しい事業として、特産の南高梅の栽培から収穫、天日干しなど1年を通した作業風景の動画制作に取り組んでいる。子どもたちに「農業ってかっこいい」と思ってもらえる映像を目指しており、生産者がいきいきと作業する日常を撮影。ユーチューブなどで配信することにしており、梅農家を身近に感じられる新たなツールになると期待されている。

 コロナ禍でも消費者に梅の魅力を伝える活動をしようと、今年度の総会で小田会長が動画の制作と配信を提案し、取り組むことにした。

 小田会長が、梅おにぎりで交流のある米どころの新潟県南魚沼市の動画を見たのがきっかけ。ブランドである南魚沼産のコシヒカリを栽培する様子を映像にしており、「すごくかっこよくて、私自身もやってみたくなるような出来栄えだった」ことに刺激を受け、みなべでも、特に子どもたちに農業がしたくなるような動画を制作したいと発案した。

 6月から収穫や漬け込み作業の撮影をスタート。夏の長雨のあと、今月上旬には、天日干しの様子を収録。同協議会副会長の廣村勝利さん(48)所有の東岩代のハウス施設内で、専用の平らな器に梅を干したり、ひっくり返す自然な作業風景にカメラを回した。

 今後は草刈りや剪定、肥料やりなど梅がどのようにして栽培されているのかよく分かるように仕上げる。作業に使う道具やスマート農機の紹介、世界農業遺産であるみなべ・田辺の梅システムなどまちの魅力も伝えることにしている。

 今年度は撮影がメインで、来年度は足りない部分の収録と編集作業をして、来年度末までに配信を始める計画。小田会長は「動画を見て、農業をやってみたいと思ってもらうのが目標。消費者にとってはどのように梅が作られているのか知ってもらう機会になるし、援農者にも役立ててもらえる。多くの人に農業や梅の魅力を知ってもらいたい」と話している。