一般社団法人御坊青年会議所(JC、山本哲理事長)が10年前に募集し、保管していた「未来レター」が今月に入って発送され、受け取った人は10年前の自分や家族から届いた手紙にほっこり、笑顔になっている。

 JCは2011年、七夕まつりの企画の1つとして当時の小学4年生(今年20歳)と年長児(現高校1年生)を中心に、10年後の自分に届く手紙を募集。事務局が預かっていた1008通を今年の七夕の日をめどに到着するよう発送した。

 当時JCメンバーだった石倉大裕さん(41)=日高川町鐘巻=の自宅には、3歳だった長女優心(こころ)さん(13)が自分宛てに書いた1通と、2歳だった次女紺海(このみ)さん(12)、生まれたばかりだった長男虎大郎君(10)に宛てて大裕さんが書いた2通の合わせて3通が届いた。

 優心さんの手紙には、覚えたてのひらがなや数字、アルファベットなどが書かれていた。優心さんは、「『ひつじでした』って書いているんですが、好きだった『ひつじのショーン』のことかな。当時のプリクラも貼っていておもしろいです」と話し、虎大郎君は「お父さんから初めて手紙をもらいました」と笑顔を見せていた。

 大裕さんは「この10年で3人だった子どもに巧磨(こうま、8歳)が生まれ4人に。当時、どんなことを思っていたか気づくいい機会になり、改めて子どもたちの成長を感じました」と話していた。

 このほか同JCには、手紙を受け取った人から、「今と変わらないのんびりした文章を読んで、書いた情景を思い出し懐かしく思った。君は今福岡でとても楽しい生活を送っているんだよと10年前の自分に手紙を送りたいです」(20歳の大学生)、「10年後の家族を想像しながら書いていたことが現実になっていたりして、とても感動。手紙を保管・発送してくださってありがとうございます」(50歳の主婦)などの声が寄せられた。

 JC事務局は、「宛先違いなどで約70通が返送され、保管しています。応募したのに届かないという人は御坊商工会館3階まで取りに来てください」と呼びかけている。

写真=10年前から届いた手紙に笑顔の石倉さん親子