県は県内の土砂災害区域の指定を完了させ、住民の生命や身体に危険が生じる恐れがある警戒区域2万1879カ所を指定した。うち日高地方7市町の合計は3458カ所で、最も多いのは日高川町で1032カ所。今月3日に静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しており、住民に対して警戒区域の確認を呼びかけている。

 県は2004年から基礎調査を開始し、19年度までに完了。さらに市町村長の意見聴取や住民に対する説明などを行った上で、土砂災害区域の指定が全て完了した。

 県全体の土砂災害警戒区域は2万1879カ所で、内訳は急傾斜の崩壊が1万5807カ所、土石流が5505カ所、地滑りが567カ所。警戒区域のうち、建物が損壊し、住民の生命や身体に著しい危害が生じる恐れがある特別警戒区域は約9割の2万297カ所となる。

 日高地方7市町の警戒区域の指定数をみると、山林の多い日高川町がトップで1032カ所(特別警戒区域973カ所)、次いで印南町の775カ所(722カ所)、みなべ町の710カ所(668カ所)、日高町の434カ所(398カ所)、由良町の267カ所(232カ所)、御坊市の143カ所(126カ所)、美浜町の97カ所(85カ所)となっている。

 指定区域は県砂防課のホームページで確認でき、同課は「お住まいになっている場所の周辺のどこが警戒区域になっているかを確認し、災害時の避難行動に役立てほしい」と話している。