高校総合体育大会県予選が、県内で行われている。昨年は新型コロナ禍で中止となったため、2年ぶりの開催。感染防止のため、多くの競技が無観客試合と保護者の皆さんは応援に行けないもどかしさがあるだろうが、選手たちは思い切りプレーができる場ができて喜んでいるのではないだろうか。県内の新規感染者は今、落ち着いてきている。高校生に限らず、感染防止を徹底しながら、できるだけ選手たちの活躍の場が設けられることを願ってやまない。

 筆者はバレーの取材にお邪魔した。地元勢の日高男子がベスト4入りし、準決勝後の第3・第4シード決定戦を観戦したが、選手全員が気迫のこもったプレーを見せ、試合も強豪の和歌山北と互角の内容、見ごたえたっぷりで、惜しくも敗れたものの観ているだけで心が晴れるような感覚だった。続いての女子決勝戦は地元校ではなかったが、両チームに日高地方出身選手がレギュラーとして出場。積極的なプレーや、得点が決まるたびにチームメイトとともに全身で喜びを分かち合う姿はまぶしく、感動させてもらった。スポーツはいいな、そんな思いをあらためて感じた時間だった。

 東京五輪開幕まであと40日余り。コロナ禍での開催に賛否あるのは当然だろう。個人的にはこのまま中止とならないで、選手たちが躍動する姿を見てみたい。前哨戦では陸上100㍍で日本新が出たり、ベテランの体操選手が代表内定をつかんだりと、早くも多くのドラマが生み出されている。疲弊する世の中、スポーツの力でぱっと明るい話題を提供してもらいたい。たとえ短い期間のその一瞬だけでも、テレビの前で選手と感動を共有したいと思う。(片)