写真=グランプリの「絆」

 全日本写真連盟県本部2020年度年間グランプリ賞に美浜町和田の山口節子さん(74)が猫の親子を撮った「絆」が選ばれ、準グランプリには御坊市湯川町財部、山本一也さん(64)の作品「なわばり」が決まった。

 年間グランプリは、1年間で4回実施された朝日写真コンテストの出品作品の中から、特に優れた3作品を選び、グランプリ賞1点、準グランプリ賞2点を決定。年間グランプリに輝いた山口さんの「絆」は、木漏れ日の差す路上で、猫の親子が寝転んでいる作品で、審査員は「親猫が子猫を大事そうに抱き、子猫が安心しきった表情で目を閉じ、前足は伸びをしています。猫の家族の温かみを感じます」と講評している。

 山口さんは、「猫はみんなかわいいですが、地域で暮らす猫は亡くなる子も多いです。そんな厳しい暮らしのなか、仲良く過ごしている様子を撮りました。グランプリをもらえてうれしいです」と喜んでいた。山口さんは10年ぶり2度目の年間グランプリとなった。

 準グランプリ賞の山本さんの「なわばり」は、夕方の塩屋港で撮影。漁師小屋の前で猫がにらみつけ、空には飛行機雲がある。「カメラ目線でにらみを利かすボス猫の姿から、ボス猫の日課と漁村の日常が的確に捉えられた秀作です。ウキや潮風で錆びたトタン等も名脇役になっています」と講評されている。