渡り鳥のツバメが子育てを行う時期となった。春になると、フィリピンやベトナム、マレーシアなどの東南アジアから飛来。夏の時期は日本で過ごし、秋の9~10月にかけて南方へと飛び立つ。日本では「玄鳥」とも呼ばれ、家の軒先などに巣を作り、古くから親しまれてきた。

 そのツバメが近年は減少している。理由は開発によってエサとなる昆虫が減ったことが大きいそうだ。都心部では巣材に必要な泥がなく、姿を消している地域もあるという。都会だけでなく、身近でもツバメは以前と比べて少なくなったような感覚を受ける。子どもの頃は倉庫や家の扉を開けっぱなしにすると、中にまで入ってくることがたびたびあったが、今はそういうことは少なくなった。減っているのはツバメだけでない。スズメも同じで、全国的にみれば、個体数が減少。要因はエサ場となる田畑が少なくなったことなどが挙げられるという。

 この2つの鳥は人間と共存しながら生きているという共通点がある。ほとんどの鳥は自然豊かな森林や草原を棲み家とするが、ツバメとスズメは人間が住む近くの人工物に巣をつくる。あえて人のいる場所を選ぶのはヘビなどの外敵が人間を恐れて近づいてこないことが理由として考えられるという。なかなかの知恵者だ。

 日高地方にはツバメとスズメに必要な田畑はまだまだ残っている。そういう意味では住みよい環境といえるだろう。しかし、もう一つ必要な条件、身近に人がいることについては、過疎化でその環境が崩れつつある。人間社会では大きな問題となっているが、ツバメやスズメも深刻に受け止めているのではないか。もしかしてですけど…。(雄)