学校では卒業式に続き、入学式が行われた。児童、生徒が真新しい制服に身を包み、新入生たちの学校生活がスタートした。友達との別れから出会いの時期といえるだろう。小学校から中学校、中学校から高校へと進学し、生活環境も大きく変わる。高校を卒業し、大学に進学する人もいれば、社会人として就職する人もいる。この時期は人生の岐路となることが多い。

 新しい生活環境に少しでも早く慣れ、学業や仕事に打ち込まなければならない。しかし、新生活では人間関係などの不安を経験することもある。この時期は今まで慣れ親しんできた生活から新しい生活に合わせるという過渡期。新生活を始めた人たちにとってはしんどい時期でもあるのかもしれない。

 しかし、新しい環境で生活することが人間的な成長につながる。言葉を変えると、今まで体験したことのない変化を受け入れることが、自分のスキルを高めることになる。変化に対してエネルギーを使い、苦しみもがく中で、新しい対応方法を自然と身につけるのだろう。生まれたての赤ちゃんはすべてに対して経験したことのない環境の中で育つから大きな成長を生むのかもしれない。大人になっても「今まで経験したことのない業務に挑戦したことが自分自身のスキルアップにつながった」という話はよく聞く。

 ダイエー創業者である中内功さんは「変化こそ機会の母である」と言う言葉を残した。「新しいものに果敢に取り組む者にチャンスが訪れる」という意味だ。新入学生、新入社員らが直面している変化は成長。涙を流すこともあるかもしれないが、大きなチャンスが目の前にあるのは間違いない。(雄)