世界から「治安が良くて、民度の高い」と言われる日本。10年前の東日本大震災では配給された食料品を奪い合うことなく、秩序を守って順番に受け取っていたことをメディアに取り上げられた。スポーツでもサッカー代表チームのサポーターが試合終了後にゴミを拾って持ち帰ったことも海外で報道。小さい頃から他人に対する思いやりの心を持つことを教育され、人に迷惑をかけたくないという気持ちがそうさせるのだろう。

 この手の話で有名なのが日本で財布を落としても戻ってくるということ。あるサイトによると、その理由として、「誰も見ていないと思って悪いことをしても、『お天道さまが見ている』と教えられていること。また、遺失物法で、『落とし物の持ち主が3カ月間現れない落とし物は届け主のものになる』と定められていることも起因している」と掲載。ほか、「交番が多く、拾得物をすぐに届けられるようになっていることも大きい」なども要因としている。

 先日、取材ノートを紛失。慌てて家の中や事務所の机の回りなどを徹底的に探しても見つからず、記憶をたどり返して前日に取材で訪れた由良町のニンニク畑に確認に行くと、近くで取材ノートを発見。諦めかけていたので、その光景が目に飛び込んできた時はモヤモヤとした気持ちが吹き飛ばされるほどのうれしさだった。

 しかも、落としていることに気付いた人が「探しに戻って来るかもしれない」と、風で飛ばないように板で押さえてくれていた。その行為にどこの誰か分からない見えない相手にさえも気遣うやさしさが伝わった瞬間だった。日本人に生まれてよかったと思った瞬間でもある。 (雄)