1月のコロナ第3波では、全国の新規感染者数が一日約8000人と、第1、第2波を大きく超える数となった。2月下旬ごろからは100人前後で推移するなど、鎮静化してきたように見える。県内でもしばらく少ない数字が続いていたためか、外出する人の数も多くなったように思う。ワクチン接種も始まっているが、海外の状況を見てもすぐに終息するとは思えず、やはり第4波に注意していく必要があるだろう。

 そんな中、今月11日に県立高校入試の一般選抜(スポーツ推薦)の学力検査が行われた。今年の本紙エリアの学校、学科の出願者は、日高普通は3年連続、紀央館普通では数年ぶりの定員割れとなり、定員ちょうどとなった紀央館工業技術以外はすべての学校、学科で定員割れとなった。

 受験当日はマスク着用、消毒、換気などをはじめ、昼食時も会話しないよう指導し、新型コロナの感染対策が徹底された。定員超過がない分、心に余裕があるのだろうと思ったが、受験生たちは緊張した表情で試験に挑んでいるようだった。

 今年の受験生たちは中学3年生の丸一年、もろにコロナの影響を受けることになり、受験を迎える中で、日々の生活に神経を使っただろう。感染し体調を崩せば、回復するまで勉強に遅れが出てしまう。県教委では、コロナで受験できなくても不利にならないような対応をするとしているが、精神的な面でも一斉検査の日に受験に挑むことを望んだだろう。

 合格発表は19日。さまざまな制限がある中で学習してきた成果が発揮され、当日は、各校での掲示の前で笑顔になれることを願いたい。その際は、受験生と同じように神経を使って支えてきてくれた家族に感謝することも忘れないでほしい。(城)