新型コロナの影響で、観光産業が悲鳴を上げている。国内旅行を促す「GoToトラベル」で一時的に宿泊施設などが活気付いたが、緊急事態宣言が再び発出されて低迷。国内だけでなく、もちろん日本を訪れる外国人観光客も激減している。7月に開催が予定されている東京オリンピックについても大勢の観光客を期待するのは難しいかもしれない。しかし、コロナが終息すれば、観光産業は必ず復活し、地域を潤す大きな力となる。
通常、観光客の人気を集めるのは歴史ある寺院が多い京都や奈良、都心部の東京や大阪など。それ以外の地域では「人を集められる資源がない」という声を耳にするが、本当にそうなのか。今、ブームとなっている冬のキャンプも極論を言ってしまえば、何もない寒い野外で過ごすだけのこと。それを求めて都会から地方へと大勢が訪れる。
数年前、みなべ町にウミガメを観察に来た東京の女性と会話する機会があった。その日はあいにくウミガメの上陸がなく、「せっかく遠くから来たのに残念でしたね」と言葉をかけると、その女性からは「真っ暗で足元さえも見えない。そんな中、静かに波音が聞こえる。こんな体験は都会ではできません。それだけで満足です」という答えが返ってきた。観光客が求めているのは、普段の生活で体験できない非日常の世界といえるだろう。
先日、日高地方7市町村の広域連携で体験型観光を誘致する御坊日高教育旅行誘致協議会が発足した。日高地方には梅の収穫体験、黒竹の民芸品づくりなど他ではできないメニューがある。それらを生かしつつ、地域をありのままに発信するのも一つの方法かもしれない。 (雄)


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