NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が、年明け1カ月と1週間が過ぎた2月7日に最終回を迎えた。明智光秀の視点から戦国をみるという、斬新なストーリーだ◆日高地方にゆかりの深い人物も登場。足利15代将軍義昭である。信長に京を追われ、一時期を由良町の興国寺で過ごした。困った人として描かれることも多いが、このドラマでは純粋に民を想う愛すべき人物として描かれ、最後の展開の鍵を握ることにもなった◆最終回は再放送などで見る人も多いのでネタバレできないが、印象のみ述べると、長谷川博己演じる光秀がなぜ信長に反旗を翻したか、それが実に説得力をもって迫ってきた。筆者にとって「信長らしくなさ」が印象的だった染谷将太も、詳しく書けないのが残念だが刮目すべき演技で大変見応えがあった。人を想う人の心が世の中を大きく回転させる。その一点を脚本家は描き切りたかったのだろうと思われた◆2月11日は「建国記念の日」である。「建国記念日」ではない。神武天皇が即位したとされる日付を「国ができた日」と決めるのでなく、その記述を機縁として「(いつかはわからないが)日本という国ができた」こと自体を喜び祝する、そういう日である◆優雅な貴族の世から荒々しい武士の世へ、そして群雄割拠の戦国乱世になだれ込み、乱れきった世を一刀のもとに斬る如く信長が天下統一を図り、志半ばで倒れたその事業を秀吉が成就させてパーッと華やかに盛り上げ、そのあとを受けた家康が祭りの後始末をするようにしっかりと盤石の体制を築いた。中世から近世に至る絵巻のようなこの流れは、天と人とが紡いだ壮大な物語である。こんな歴史を持つ日本はなんと素晴らしい国なんだろうと、ずっと思っている。(里)


