電車やバスで妊婦に席を譲る意思を示そうと、東京の男性が作った小さなタグが全国に広がっており、テレビで紹介されていた。それによると、発売から1年。すでに約1万5000個の注文があって、普及に協力する店舗や学校も出てきたという。
札にはマタニティーマークと「席ゆずります 声かけてください」の文字。カバンにぶら下げられている。作ったのは都内のIT企業に勤める31歳の男性。2019年12月に長男が生まれ、1年間の育休中に作った。きっかけは、妊娠中の妻と電車に乗ったときの経験。妻と優先席の前に立ったとき、若い人も座っていたが、譲ってくれたのは高齢女性だった。違和感はあったが気づかない人も、自ら声をかけられない人も。「譲って」とお願いするのは勇気がいるし、譲る側も「どうぞ」と言うタイミングを逃していないだろうかと感じ、譲る側もあればいいと思ったとそうだ。
デザインはウェブデザイナーの妻。知人に配るとツイッターで話題になり、「つわりに苦しみながら通勤する妻を見て」「妊娠中に席を譲ってもらったので今度は私が」という購入理由のほか、「声をかけてもらえた」だけでなく、札を持つことで「席を必要としている人を探すようになった」との声もあったという。
男性はインタビューに対して「優しさが連鎖してタグが広がっている。妊婦が安心できる空間が増えていくといい。将来的には高齢者ら席を必要とする人が、周囲の配慮を得られるようなマークに発展させたい」。「どうぞ」のひと言で片付く話かもしれないが、なかなかできない人もいるだろう。優先席を必要とする人の気持ちを理解し、マークなしでも譲り合える、支え合える社会になれば。 (笑)


