気が付けば今年も残り3週間を切った。毎年言っているかもしれないが、今年ほどあっという間に過ぎ去った年はないと思うほど、早かった。新型コロナという見えない敵、毎日ひやひやしながらの生活に、日が経つのを早く感じたのかもしれない。問題はまだまだ解決に及ばない、今は第3波の中にある。今がピークならいいが、感染者数グラフのまだふもとなのかもしれない。分からないから余計に不安が募る。そしてこれまで経験したことのない年末年始を迎える。人の動きが活発になれば感染が増えるのは当然。感染爆発が起こらないことを祈るばかり。

 今年を振り返ると、やはり新型コロナのことしか出てこない。緊急事態宣言に学校の臨時休校、企業や大学ではリモートが進み、時代が5年進んだともいわれた。スポーツや文化イベントは多くの全国大会が中止となり、不完全燃焼のまま競技を終えた選手もたくさんいただろう。筆者が個人的に感じたことは、感染者に対する誹謗中傷の多さ。「コロナより人の方が怖い」とまでいわれた。ウイルスだけでなく、SNSなど顔が見えない相手からの心無い言葉にも疲弊させられる、そんな世の中にはなってほしくない。

 どれだけ注意していても感染を完全に防ぐ方法はない。今年の流行語大賞になった「3密」は、多くの国民ができるだけ実践できるように心がけている。マスクや手指消毒も着実に習慣づいている。これからはもう一つ、思いやりを持つことも加えていこう。感染を予防しながら、自分を、家族を、他人を今よりもう少しだけ思いやる気持ちを心がけたい。それが誹謗中傷を少しでも減らすことにつながればと思う。(片)