第三波の新型コロナの感染が全国的に広がり、企業などの忘年会や新年会の自粛が目立っている。信用調査会社が全国の企業を対象に行ったアンケートによると、和歌山県内の企業の約9割が「開催しない予定」と回答。日高地方の旅館や飲食店なども大きな影響を受け、今年は厳しい年末年始となりそうだ。

 東京商工リサーチは県内企業(有効回答数64社)を対象に、忘年会と新年会の開催についてアンケートを実施。「昨年は開催、今年も開催」と答えた企業は7社(10・94%)にとどまり、「昨年は開催、今年は開催しない」が42社(65・63%)、「昨年も今年も開催しない」が15社(23・44%)、「昨年は開催せず、今年は開催」はゼロだった。

 全体でみると、開催しない企業は89・06%に当たる57社。全国の集計も同様の傾向で、「開催しない」と答えた企業は87・8%だった。感染拡大が広がっていることに対し、企業が警戒していることの表れとみられている。

 日高地方のホテルや旅館なども影響を受けている。宴会の席の間隔を空けたり、アルコール消毒を行うなどの対策を行っているが、予約状況は厳しい。

 みなべ町埴田、国民宿舎紀州路みなべは「例年なら年末年始は大規模な宴会が入るが、今年はほとんどない状態で、個人の少人数の宴会が入っている程度。いままでこんなことはなかった」、日高川町のきのくに中津荘も「忘年会や新年会はまったくないと言っていいほど。法事の会食は家庭に会席料理を弁当で届けることもあり、ランチのお客さんも普段より少ない」と話している。

 世の中が大勢の宴会を控えようという流れのなか、「いままでのように新年会や忘年会を大々的にPRするのは難しい」という声も聞かれる。