宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」の回収カプセルが地球に帰還。カプセルには小惑星「りゅうぐう」から採取した試料が入っているとみられ、6年間に及ぶ探査の成果について本格的な分析が始まる。分析チームのリーダーを務める日高高校OBで北海道大学の圦本尚義教授(62)=日高川町小熊出身=も安堵。8日には本紙の取材に対して、「これまで出会ったことがないような物質が出てきてくれれば」と期待に胸を膨らませた。
はやぶさ2から放出されたカプセルは6日未明、オーストラリアの砂漠に着地し、現地での簡易的な分析を実施した結果、ガスの検出に成功。りゅうぐうに由来するガスの可能性があるという。その後、カプセルは空路で日本に輸送。8日に羽田空港に到着し、JAXAの相模原キャンパス(相模原市)に搬送された。
カプセルの中には試料が入った容器があり、JAXAは専用施設を使い、外部からの汚染を防ぐため、真空状態で開封。試料を実際に回収できたかを確認し、本格的な分析がスタートする。りゅうぐうには炭素や水を含んだ岩があると考えられており、試料を調べることで太陽系や生命の起源に迫ることができると期待される。
圦本教授が率いる国際チームは、りゅうぐうがどういう元素でできているかを決めるのがミッション。来年の夏ごろから取りかかる予定で、圦本教授はカプセル帰還に「無事に帰ってきたことにほっとしています。『うれしい』というより『よかった』」と話し、分析に向けて「これまでとまったく別の種類の物質が出てくれば」と意欲をのぞかせた。
圦本教授は長年にわたり地球惑星科学の教育・研究に務め、同位体顕微鏡を世界で初めて開発するなど、国際的に活躍。同位体顕微鏡は隕石等に含まれる同位体の微小な分布を画像化する装置で、これによって宇宙の新物質が次々と発見された。2011年に小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」のサンプルを分析した結果を米科学誌に発表し、今年春の褒章で紫綬褒章を受章している。
日高高校の同級生で㈱小池組代表の小池正幸さん(63)=御坊市藤田町藤井=も「とんでもないことが分かればいいですね」。「新たな世界的発見、学説がひっくり返るような発見に期待します」とエールを送っている。
写真=分析チームを率いる圦本教授(昨年12月の日高高校同窓会全員総会で)


