新型コロナの感染が第三波に入った。国内で2000人を超える感染者が発表され、過去最高を連日のように更新。東京では新たな感染者が500人を超える日もあり、感染状況を評価する都独自の警戒度を4段階で最も深刻な「感染が拡大している」へと引き上げた。このままの増加が続けば、東京では4週間後に一日当たりの新規感染者が1000人を超える試算だという。和歌山県でも一時は感染者がいなかった時期もあったが、今月初めごろから急増。新規感染者が2桁となる日が多くなっている▼一方では、ワクチンや治療薬の開発が進んでいる。アメリカ製薬大手のファイザーがドイツの企業とワクチンを共同開発。臨床試験の結果、95%の有効性だったとし、使用許可をFDAアメリカ(アメリカ食品医薬品局)に申請。早ければ来月にも同国で実用化されるという。日本などもこのワクチンの供給を受けることで合意しており、来年春ごろには接種できる見込みだ▼昨年12月に中国の武漢で発生して約1年。第三波で感染者が増えるなか、あと少し我慢すれば、ワクチンや治療薬が出回る。数年後には新型コロナウイルスは恐れるに足りない病気になっているかもしれない▼来年は東京オリンピックが開催予定。少し前までは国民の大部分が「コロナでちょっと難しいのでは」という見方が多かったと思うが、先日に訪れた国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「成功させる決意と確信を持った。観客を入れることも確信を持つことができた」と語った。菅義偉首相が言う「人類がウイルスに打ち勝った証の大会にしたい」という言葉が現実味を帯びてきた。(雄)