紀州鉄道は税を考える週間(今月11~17日)に合わせ、中高生の税の作文19編を車内に掲示した「作文列車」の運行を17日から開始した。同日、西御坊駅で出発式が行われ、中学生の「税についての作文」で国税庁長官賞を受賞した日高高校附属中の寺井巴菜さん(2年)が一日駅長となり、受賞作文を暗唱。テープカットのあと、寺井駅長の合図で「作文列車」が出発した。

 税の作文列車は日高納税貯蓄組合連合会(西田光作会長)、御坊納税協会(吉田擴会長)、御坊税務署(大寺隆秀署長)が企画し、紀州鉄道㈱、JR御坊駅の協力で実施された新しい催し。毎年、日高地方の多くの生徒が取り組んでいる「中学生の税についての作文」と「税に関する高校生の作文」で、今年度、特に優秀だった中学生の9編、高校生の10編が車内に掲示されている。

 作文列車の運行初日となったこの日は、西御坊駅で出発式が行われ、納税協会の吉田会長が「例年開催している中学生の税の作文表彰式がコロナ禍のため中止せざるを得ず、残念に思っていたところ、作文列車を運行できることになった。協力いただいた皆さんに感謝します」とあいさつ。寺井さんは紀州鉄道の大串昌広運輸課長から制帽、手袋などを受け取り、一日駅長に任命され、受賞作「わたしたちの暮らしをささえる『税』」を暗唱した。

 続いて寺井さん、西田会長、吉田会長、大寺署長と来賓の山本吉伸大阪国税局徴収部長でテープカットが行われ、「税」と書かれたヘッドマークをつけた列車が、寺井さんの「作文列車、出発進行!」の合図で、御坊駅に向け走り出した。

 寺井さんは「朗読は緊張したけれど、貴重な経験ができました。作文は、税がきちんと社会で使われていることを認識し、大切さを感じてほしいと思い書いたので、皆さんに読んでもらいたい」と話していた。作文列車は12月1日の午前中まで運行されるほか、御坊駅にも作文の掲示が予定されている。

写真=「出発進行!」  一日駅長寺井さんの合図で出発する税の作文列車(西御坊駅で)