先日、テレビのある番組でフランス人がそうめんを食べている様子が映されていた。つゆはかつおだしを使ったもの。一流のフランス料理で知られる国民の口に、日本の伝統の味は受け入れられるのかみていると、「このソース最高」「かすかな甘みがあっておいしい」などと取材を受けた全員から大好評となっていた。
一方、イタリア人もそうめんを試食していたが、パスタと比較するためか、つゆにつけて麺を食べるというスタイル自体が受け入れられないようで不評。ただ、イタリアでも魚からスープを取る文化はあるので、かつおだしも使う料理を変えれば、気に入ってもらえるのではないかとも思う。すしや天ぷらなどの和食文化が海外で受け入れられているのはいまに始まったことではないが、日本の味が評価されることは、国民としてうれしく、誇らしいものである。
そんなかつお節と言えば、印南町が発祥の地。江戸時代、印南漁民の角屋甚太郎が製法を開発し、森弥兵衛が枕崎、印南與市が伊豆や房総へ製法を広め、いまでは日本のだし文化を代表する保存食品となっている。同町の印南浜公園には印南漁民の顕彰碑が建立され、角屋甚太郎の旧暦の命日となる10月4日には毎年、献花式も行われている。さらに角屋甚太郎の新暦の命日となる10月28日は日本記念日協会の「おだしの日」にもなっている。
唯一無二の発祥の地のブランドは、地域発展へ向けた大きな武器となるのは言うまでもなく、町や関係団体もPRに頑張っている。日本だけにとどまらず、いまや世界に向けて発信していくべき時でもあり、発祥の地を生かしたまちづくりに期待したい。(吉)


