日高町の上志賀地区で7日から、サルに装着した首輪から電波を受信して位置情報を把握するテレメトリー調査が始まった。

 町と連携した取り組み。7月3日、わなで捕獲した大人のメスザル1匹に電波を発信する首輪をつけて放しており、首輪から発信する電波を受信機で感知し、群れの行動を把握する。収集したデータを移動式わな、防護柵などの効果的な対策につなげることが狙い。

 テレメトリーの電波は2、3年程度発信され続け、受信機は手持ちや車に装着して使用することもできる。以前に県によるGPSを活用した行動調査も行われたが、今回はGPSに比べて長期の調査が可能で、季節ごとの行動パターンなどを調べることができる。

 同日、役場職員が上志賀獣害防止組合(阪口孝組合長)のメンバーに受信機やアンテナのセットを手渡し、使い方などを説明した。

 住民の目撃情報も収集し、サルの行動をデータ化していく。11月下旬にはミーティングを開催し、メンバー内で情報を共有する。

 上志賀ではサルの被害が後を絶たず、夏から秋には稲穂が食べられる被害が相次いでいるほか、柿やミカンも被害を受けている。

 阪口組合長は「機器が届いたので、早速、調査を開始したい。サルの行動を把握し、わなの設置に活用していきたい」と期待していた。

写真=受信機の使い方などの説明を受けるメンバー