先日、文化庁が2019年度「国語に関する世論調査」の結果を公表した。それによると、普段の生活で接している言葉から、「今の国語は乱れていない」と回答した人の割合が30・2%と初めて3割を超えた。SNS(会員制交流サイト)の普及が理由の一つで、使われる言葉の多様化が、表現に対する寛容さにつながったとみられている。

 新しい表現に関する調査で、「自分も使うし、他人が言うのも気にならない」と回答した人の割合が多かったのは、パワハラなど「〇〇ハラ」の54・4%がトップ。ほか、婚活など「〇〇活」は52・7%、30歳前後の世代を表す「アラサー」など「アラ〇〇」は33・5%、じっくり見つめることを表す「ガン見」など「ガン〇〇」は22・5%と、定着が進んでいる状況となっている。

 一方、日本で暮らす外国人に災害や行政の情報を伝える際、「やさしい日本語」を使う取り組みについて、「知っている」と答えた人は29・6%にとどまった。筆者も約7割の人が回答した「知らない」の一人。調べてみると、やさしい日本語は、日本語を母国語としない人が理解しやすいよう、一文を短くしたり、「住所」を「住んでいるところ」、「余震」を「後から来る地震」に言い換えるなど、より簡単な表現を使ったりして伝えるものだそう。

 仕事だけでなく日常生活で日本人同士でも分かりづらい日本語表現があるなか、日本に住む外国人にとって住みやすく、日本を訪れた外国人の方にとっても、気軽に日本人と触れ合える環境があればいいと思う。皆さんも一度、やさしい日本語や難しい日本語表現について考えてみてはどうでしょう。(笑)