美浜町の保護司と更生保護女性会の合同研修会が26日、中央公民館で開かれ、保護司7人と女性会17人(うち2人は保護司兼任)のほか、日高保護司会の伊東直彦会長も参加した。

 研修会は、今年11月で保護司を定年退任する三尾の大谷雅昭さん(76)が、「肯定できる自分さがし」をテーマに、全国の少年院で36年間法務教官を務めた経験と、退職後の調停委員や少年友の会の付添人、民生委員の主任児童委員として実際に関わった少年らとの具体的なエピソードを中心に話した。

 暴走行為をしていた少年が、対立グループ側についた暴力団員を仲間と殺害した事件では、仲間は殺意を認めなかったがこの少年は素直に殺意を認め、自分の犯したことの重大さに気がつき、「こんな僕でも生きていていいんですか」と話したことを紹介。「罪を犯した少年たちに反省文を書かせると、みんな上手に書くが、口先だけの反省では更生にならない。それぞれが自分自身に対して負い目、満足しきれない思いを抱えている。そこから『信頼できる、肯定できる自分』を自分で見つけることが本当の意味の反省につながる」とし、「誰にでもいいところが必ずある。罪を犯した人が自己満足にならず、周囲も認めるような『肯定できる自分』を探すことが必要なんだと、多くの子どもたちと接してきて感じた」と話した。

写真=これまで出会った少年とのエピソードを話す大谷さん