御坊少年少女合唱団の第40回定期演奏会が10日、御坊市民文化会館大ホールで開かれた。結成40周年を記念する定演で、公益財団法人三菱UFJ地域文化財団から助成。3月に開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期となった。

 今回は3密を避ける演奏会となり、来場者の検温などを行い客席も間隔を空けて座るように設定。いつものように団員同士が手を取り合うなどの振り付けはなく、「見せる」よりも歌をじっくり聴かせる演奏会となった。幕開けは、新宮出身の童謡詩人東くめ作詩・滝廉太郎作曲の童謡メドレー。「鳩ぽっぽ」「雪やこんこん」「ひばりはうたひ」などをすがすがしくうたった。続いて「うめぼしのうた」「はちみつみつみつ」などのメドレー「おいしい食べもののうた」。休憩をはさみ、2部は懐かしのアニメソング。「とんちんかんちん一休さん」や「おしえて」(「アルプスの少女ハイジ」のテーマ)、「銀河鉄道999」などを元気にうたった。3部は、このステージのために作曲家のなかにしあかねさんに制作を依頼していた音楽物語「ディックとねこ」を初演。なかにしさんから寄せられた「御坊の広い空と海を思いながら、いい舞台となるよう祈っています」とするビデオメッセージ上映に続いて歌を披露した。イギリス民話「ディック・ウィッティントンと猫」をもとにした同声2部合唱とピアノのための物語組曲で、貧しい少年ディックが仲良しの猫を船長に託したことから幸運を手にする物語。制限がある中、できるだけの練習を重ねてきたきれいなハーモニーを披露した。アンコールとして、組曲の中の1曲「君の道はどこまでも」をもう一度合唱。客席からは手拍子も起こり、最後は大きな拍手で幕を下ろした。

写真=「ディックとねこ」を生き生きとうたう