世界芸術文化振興協会主催の第21回高校生国際美術展の入賞作品が決まり、美術平面作品の部で日高地方からは南部高校美術部の切本優希君(2年)が奨励賞、同じく前田なおみさん(同)が佳作に選ばれた。切本君は感情の起伏を抽象的に表現。前田さんは龍神地鶏を油絵でリアルに描き、ともに初めての入賞となった。奨励賞以上の作品は5日から16日まで東京の国立新美術館で展示される。

世界の高校生の美術と書道作品が一堂に会する展覧会で、美術の部には950点(平面907、立体43)の応募があった。

切本君の作品は「腐食した感情」。S30号(91㌢×91㌢)で、ウレタンフォームを切って凹凸を作り、木工ボンドで固めた上から水性塗料で色づけして仕上げた。人の感情のバイオリズムを表現しており、長短さまざまな波の形にこだわった。所々に施した鉄の錆びのような色付けは負の感情を表したという。美術は高校に入ってから本格的に始めた。感情を表現するのが好きで、「初めて入賞できてうれしかった。次は同じ材料で性格を表す作品に挑戦したい」と意気込んでいる。

前田さんの作品は「龍神地鶏」。F50号(116㌢×91㌢)の大作。親戚が飼っている龍神地鶏を写真撮影し、油絵で忠実に再現した。まるで写真のような仕上がりで、とくに土の部分の複雑な色の付け方が難しかったという。鶏が強調されるように、実際の色よりも少し鮮やかにするなど工夫した。高校に入学してから油絵を始め、この作品はコロナで休校中も家でコツコツ描き、10カ月かけて完成させた。「いままでで一番よく描けた。次も大好きな鶏を描きたいです」と笑顔を見せた。

表彰式は8月5日に行われるが、新型コロナ感染予防のため入賞者を招待せず、審査員のみが出席する。

写真=切本君の作品「腐食した感情」㊤と、前田さんの作品「龍神地鶏」