きのくに信用金庫印南支店で27日、抜き打ちの防犯訓練が行われた。

 閉店間際に強盗が押し入るという想定。御坊署員が扮する強盗1人が拳銃を手に侵入し、カウンター越しに「金はよ出せ。ある分全部出せよ。はよせーよ」と脅しながら金を要求。もう1人は車で待機し、金を受け取ると車で逃走した。職員たちは本番さながらの緊迫した状況の中、犯人の特徴を覚えたり、警察への通報ボタンを押したり、逃げ去る車をチェックしたり、それぞれの役割をこなした。

 再び犯人役が登場し、伝えた特徴が合っていたかどうかを確認。御坊署生活安全刑事課の片山隆志巡査部長は「案外、人の特徴は覚えていないもの。間違った情報を伝えるよりも、防犯カメラがあるならそれを警察官に言う方が手っ取り早い。犯人がどこを触ったかも注意しておいてほしい。そこからDNAが採取できる」と講評した。

 同店での抜き打ち防犯訓練は初めて。窓口の梅原あすかさん(23)は「拳銃を向けられるととても怖かったです。コロナ対策で窓口にビニールシートがあり、犯人はマスクをしていたので、顔の特徴が分かりづらかったですが、もう少し犯人の特徴をメモしておけばよかったと思いました」。津村誠司支店長(56)は「最近は特殊詐欺がクローズアップされていますが、強盗も訓練しておこうと実施しました。みんな落ち着いて対応できていたと思う」と話していた。

写真=拳銃を手に窓口で金を要求する強盗役