先日、俳優の三浦春馬さんが30歳の若さで亡くなった。自殺とみられている。

 突然の訃報にファンというわけでない筆者でもショックが大きい。好きだった漫画「君に届け」の実写版映画に出演されていたのが印象的。三浦さんは主人公の相手役で、キャスティングが決まったときはネット上で「イメージが違う」などの声もあったようだが、原作を裏切らない好演。笑顔がとても素敵な人だった。

 周囲の人に愛され、仕事も順調で、なぜ自殺してしまったのかは報道では伝わってこないが、役柄に打ち込むストイックなところや、真面目な一面が取り上げられている。一生懸命に取り組めることがある人生は素晴らしいことなのに、才能豊かで人がうらやむものをたくさん手にしていたのに、本人にしかわからない理由で死を選んでしまった。身近な人は「何かできることはなかったか」と悔やみ続けることだろう。

 国内の自殺者数は、バブル崩壊後金融危機に陥った98年から毎年3万人を超えていたが、東日本大震災の翌年3万人を切り、減少傾向に転じている。コロナ不況で今後の自殺者の増加が懸念されているが、緊急事態宣言中、コロナ禍のピークだった今年4、5月は、前年同月比で約20%減と大幅に減少。休校や外出自粛で思い悩むことが少なかったことが要因の一つに挙げられている。

 ストレスを感じたり、辛いと思うことは人それぞれ。心が苦しくなったり、疲れすぎたりするとマイナス思考に陥ってしまう。そんなときはだれかに相談したり、その要因から離れたりして休息が必要。人生を終わらせてしまうくらいなら、その前に思い切って環境を変えてみることも。大切な人が悔やみ続けることのないよう自分を大切に。(陽)