プロ野球が開幕して、20日が経過。無観客の球場に響く打球音や捕球音に新鮮な感じを受けながら、また野球を観戦できる喜びを感じながら、中継のある夜はテレビのチャンネルを合わせている。新型コロナウイルス感染症の影響で約3カ月遅れの開幕。少しずつ野球熱も戻ってきた。

 開幕日、各チームの先発メンバーを見てみると、2番打者にどんなタイプの選手を起用しているかに大きな違いが見られた。2番といえば、バントやヒットエンドランなど小技が得意で、選球眼もいい選手の指定席。それが、何十年も前から当たり前だったと思う。ところが、最近はメジャーリーグの「2番打者最強説」が日本でも定着。主砲の定位置ともなりつつある。

 2番に一発のある打者を並べたのは、巨人(坂本勇人)、ヤクルト(山田哲人)、中日(平田良介)、日ハム(大田泰示)、オリックス(ロドリゲス)の5球団といったところか。ここ数年の一番の成功例は昨シーズン、セ・リーグを制した巨人の2番・坂本だろう。

 個人的には、2番に強打者を起用する方が好き。初回に2番から続けてホームランバッターと対戦するのは投手にとってすごいプレッシャーになるはずだ。それに、もし3、4点追いかける形になったとき、9番と1番が出塁したケースでバントを挟んでアウトを与えなくて済み、一気に反撃できるメリットが大きい。野球は結局、得点しなければ勝てないので攻撃型の2番最強説の方が理にかなっていると感じる。

 あれこれ頭を使って楽しめるのも野球の魅力の1つ。再び2番最強説がうまくいくのか、それとも新たな采配が生まれるのか。注目していきたい。(賀)