新型コロナウイルスに生活スタイルを変えられて随分経ったような気がする。ネット上では、俳優で歌手の星野源による「うちで踊ろう」に始まる、さまざまなパフォーマンスのコラボレーション企画など、新たな文化の形態が起こっている◆由良町の学習塾の子ども達が、コロナ禍に苦しむ人々にエールを送ろうとアート作品を制作したという取り組みを取材した。「ママはかいごの仕事をしています。おじいちゃんやおばあちゃんのおせわにがんばっています。ママ、げんきでいてね」「私のしょうらいの夢はかんごしさんになることです。今のコロナの患者さんをかん病することになったら、つらい現場でもしっかり仕事をやりとげたいです」などのメッセージが並ぶほか医療現場をイメージしたイラストもあり、医師がワクチンを手に「もうだいじょうぶですよ」と患者を励ましているという願いのこもった絵は、ああ、本当に早くこれが実現してくれたらとつくづく思わせられた◆スターチスの押し花で「Smile」「エール」の言葉を書いたり、指先でスタンプのように絵の具を押して絵を描いたり、レースのハンカチを白い羽に見立てて鳥の貼り絵作品にしたり。一人ひとり、それぞれ好きなテーマで仕上げているのがいい。卵や牛乳のパック、包装紙など身近なものを作品に生まれ変わらせる試みも行われている◆うちにいる長い時間、何をして過ごすかは大きな課題だが、「自己表現の手段」を自分のものにすることができれば、それは一生ものの収穫といえるのではないか。どんな時も、自分なりの言葉や方法で思いを形にすることができれば、それはつらさを乗り越える杖にも、次へのジャンピングボードにも、世界とつながる架け橋にもなる。(里)


