新型コロナウイルス禍、異例のゴールデンウイークがスタートした。いや、小池百合子東京都知事がいうようにステイホームウイークである。見えない敵への対応、感染者の命を、医療従事者を、そして人々の生活を守るため、行政の果たす役割は大きい。このいざというときこそ、地方自治体のトップのリーダーシップが大いに発揮されるとき。各都道府県知事とも寝る間もないほど対応に追われていることに頭の下がる思い。対応に奔走する職員、医療従事者、要請に応じて休業している飲食店や企業、外出を自粛している住民、感染拡大を防ごうと行動するすべての人に感謝である。

 和歌山県内で感染者が発生した当初、拡大を防いだ仁坂知事の手腕も大きく評価されるだろう。個人的には吉村大阪府知事、松井大阪市長のアイデアと行動力は素晴らしいと感じる。医療従事者らにふるさと納税を活用して応援金を支給することを決めたり、不足する防護服の代わりに雨合羽の寄贈を募ったりと、とにかくやることが速い。雨合羽に関してはすぐに30万着が寄せられ、少しでも力になりたいと思っている一般住民がいかに多いかもうかがわせた。まさにワンチームといえる。

 日高地方の各市町でもプレミアム商品券の前倒し発行や飲食店の応援策など独自の施策が打ち出されつつあるのはいいこと。県内の他町では町民一人に1万円を配ったり、住民にマスクを配布する自治体もある。もちろんありがたいことだが、一方で医療機関ではまだマスクが不足しているという声が聞こえる。県内各市町村が力を合わせてマスクを確保し、まずは医療機関に優先的に配布する取り組みがあってもいい。(片)