新型コロナウイルスの感染が拡大し、マスク不足が深刻だ。小売店では品薄の状態が続き、陳列棚から商品が消えた。経済産業省も「捨てマスクを長く使用するため、消毒液をつけることで2、3回程度は再利用できる」と周知を検討するという。ところが、屋外に出ると、ほとんどの人がマスクを着用し、着用していない人を探すのが難しい。「マスクがない」と騒ぐ割にはどこから購入したのかという不思議な思いもある▼数年前、伊達マスクという言葉が流行った。風邪を引いて咳が出たりしているから着用するという本来の目的から外れ、防寒や顔を隠すことを目的とした人たちが使用するマスク。近年では健康志向の高まりからか、普段から着用する人も増えている。欧米では日常生活で着用する習慣はなく、着用者は重大な感染症患者か強盗と疑われるらしい。気軽にマスクを着用する日本とは大きな違いがある▼しかし、日本でもマスクをしていることが失礼という考え方も。特に接客時にマスクを着用するべきか、着用すべきでないのかという論争は以前からも少なからずある。着用に反対派は相手の表情が分かりづらいということ。賛成派はいろんな人と接するため、感染予防などを理由としている。しかし、今回の新型コロナウイルス騒動で、スーパーやホテルなどでも従業員の着用が広がっているようだ。取材でも「できればマスクを着けて」と言われることがある▼マスク着用者は20年や30年前にはほとんど見られなかったが、時代とともに変化しているのは事実。新型コロナウイルスが終息してもマスク着用者はそうそう減らないのかもしれない。マスクは市民権を獲得したといえるだろう。(雄)


