東京オリンピック・パラリンピックに向けた国際テロ対策の一環として、県警と大阪税関が12日、由良町のMES―KHI由良ドック株式会社で合同テロ対処訓練を行った。爆発物を隠し持った犯人がドックから外に出ようとするとの想定で、税関職員が検査を実施。御坊署員が犯人を取り押さえ、県警本部機動隊員が処理活動を展開した。本番さながらの緊迫感のなか、ドックの社員も参加。対処能力や連携の強化、危機意識高揚を図った。

 御坊署をはじめ、県警本部、近畿管区警察局、大阪税関和歌山税関支署下津出張所、同社から合わせて38人が参加し、修繕のために寄港した船舶に紛れ込んだ被疑者(テロ支援者)が、同ドックからテロ関連物資(小型爆弾)入りのリュックサックを持ち、受け渡し先の第三者と接触するため、単独で外に出ようとすると想定。情報を受けて警察が警戒、税関が応援出動する中、まずは警備員が対応し、110番通報した。

 続いて駆けつけた御坊署員が職務質問。税関職員が移動式X線車でリュックサックを検査したところ、急に犯人がリュックサックを手に逃走、刃物を持って暴れだし、署員が激しい格闘の末に制圧した。

 同社関係者らが見守る会場では、署員の「何しやんのな、こらー」「大人しいせえ」と怒号が飛び交い、迫力満点。その後、避難誘導や立ち入り規制が行われ、構内に残されたリュックサックの中身を機動隊員らが確認。関係者が見守るなか、処理用具を使って処理車に収納した。

 終了後、中岡隆副署長が「国内にテロリストを入れない、危険物を持ち込ませないことが重要。関係機関の連携強化と官民一体となった対策が必要になります。きょうの訓練はとても心強いものでした」と講評。「私たちは絶対にテロを起こさせないという信念のもと、各種対策を講じていきますので、関係者の皆さんには引き続き協力と支援をよろしくお願いします」と呼びかけた。

写真=犯人役を取り押さえる署員