みなべ町晩稲、梅加工販売会社の㈱紀州ほそ川(細川庄三代表)が、公益財団法人食品等流通合理化促進機構の第7回食品産業もったいない大賞の審査委員会委員長賞を受賞した。ほそ川は産業廃棄物として処分されていた梅酢で飼料を開発し、紀州うめどり・うめたまごなどのブランド化を実現したことなどが高く評価された。6日に東京で行われた表彰式に細川代表が出席し、事例発表も行った。

 もったいない大賞は、省エネや廃棄物の削減、教育などで顕著な実績を挙げている食品関連事業者や個人を広く発掘、表彰し、食品産業全体での地球温暖化防止や食品ロス削減等を促進することを目的として毎年行っている。今年は農林水産大臣賞1点、農林水産省食料産業局長賞3点、審査委員長賞5点が選ばれた。

 紀州ほそ川の取り組みは「畜産物のブランド化をもたらした未利用資源『梅酢』の活用」。梅酢は梅の実を塩漬けにしたときに出てくる塩分を含む酸味の強い汁で、産業廃棄物として処理されていた未利用分の有効活用を検討。「鶏に梅酢を与えると夏バテしない」という住民の話をヒントに県養鶏研究所で実験を開始した。

 梅酢をろ過、脱塩、濃縮して梅酢飼料を開発してエサとして与える検証を3年間行った結果、採卵率が向上し、卵質や鮮度、卵黄中の葉酸濃度もアップ。さらに鶏肉自体の保水性や歯ごたえもよくなったことから、同社と養鶏業者、販売業者で協議会を立ち上げ、紀州うめどり、うめたまごとしてブランド商品を開発。うめどりは2008年食肉コンテストで最優秀賞を獲得。うめたまごは2014年たまごかけごはん25種食べ比べランキングで1位に輝くなど、ともにおいしさ日本一のお墨付きをもらった。

 現在では養殖マダイに梅酢飼料を与え「梅まだい」、同様に飼育した豚を「紀州うめぶた」としてブランド化。人の不妊治療に効果を発揮している梅抽出物「ウムリン」も商品化している。これらの取り組みから産業廃棄物の削減等に貢献していることが認められた。

 細川代表は事例発表で取り組みを説明し、「梅酢飼料を養鶏業者、養鶏から出た鶏糞を生産者、鶏糞を肥料として生産した梅と梅酢を加工業者へと、地域で循環できる仕組みを作りたい」と力説。受賞には「取り組みが評価されてうれしい。これからも用途開発や販路開拓で梅酢の需要を伸ばし、地元に貢献していきたい」と話している。

写真=表彰状を受けた細川代表(右は細田衛士審査委員長)