子どもの頃にピアノを習った経験もなく、クラシック音楽を聴く機会といえば小・中・高校の音楽の授業でのレコード鑑賞ぐらいだった。この仕事に就いてさまざまな音楽演奏会を取材する機会を得たが、生演奏を通じて本当に「クラシック音楽っていいな」と実感したのは何年前だったか、御坊市民文化会館での大阪シンフォニカーのコンサートだった◆それまでなじみのなかった、ベートーベンの「交響曲第7番」を演奏。舞台から降って来る音の重なりが、身内に染み透るように感じられた。授業のレコード鑑賞とは違う、目の前の舞台にいるオーケストラが創ってくれる音の世界のただ中にいる心地よさ。第3楽章の弾むような楽しいメロディーは今も覚えている。「大阪シンフォニカーという名前を覚えておこう、交響曲第7番のこのメロディーを覚えておこう」と、聴いたその時に感動とともに思ったのだった◆大阪シンフォニカーから大阪シンフォニカー交響楽団、そして今の名称となった大阪交響楽団のコンサートが、「建国記念の日」の11日午後3時から御坊市民文化会館で開かれる。ダイワハウスの協賛により、料金は前売り1000円、当日1500円と格安である。今回は地元中学・高校の吹奏楽部と共演のステージもあり、少しでも多くの人にいろんな形でオーケストラの生演奏を楽しんでもらおうという心意気が感じられる。曲目はベートーベンのよりポピュラーな交響曲第5番「運命」、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の中でも有名な「花のワルツ」と、親しみやすいプログラムだ◆「聴く者も、演奏する者も満足できる音楽を!」と発足した楽団であるという。あの時の感動を思い返しながら、新たな感動に出会うのを楽しみにしている。(里)


