日本舞踊の花柳流の師範、花柳勲麿(いさまろ)氏と門下の師範らが集う4年に一度の公演「いさまろ会」が3月1日、大阪の国立文楽劇場で開かれる。日高地方からは美浜町和田の花柳妃鶴(ひづる)こと平田千鶴さん(50)と、平田さんの弟子で松洋中学校1年生の澤越歩恋(ふう)さん(13)が出演。同劇場の舞台は3度目となる澤越さんは今回、初めての主役となり、勲麿師匠とのコンビで長唄「連獅子」に挑戦する。
澤越さんは、3歳から平田さんの下で踊りを習い始め、中学1年生にしてすでに芸歴は10年。2009年10月、御坊市民文化会館で開かれた宝扇会の初舞台は、手習い曲の長唄「菊づくし」を1人で最後まで泣かずに演じきった。
その後、文楽劇場デビューとなった4年前のいさまろ会では、現美浜町長の籔内美和子さん(花柳枝芽)が舞う常磐津「お夏狂乱」で脇役の里の子を演じ、3カ月後には再び文楽劇場の舞台(花柳会関西支部主催の第12回桜和会)で、4人で演じる常磐津「靭猿(うつぼざる)」の主役ともいえる猿を務めた。
今回の「連獅子」は初めて主役の演目となり、パートナーは師匠の師匠の勲麿氏。平田さんとともに年に数回、大阪の勲麿氏の教室まで出かけて名取の稽古(男踊り)をみてもらうなか、「この子は男の踊りもいける。次のいさまろ会で私と連獅子をやろう」と、関西花柳流の重鎮からまさかの逆オファーを受けた。
連獅子は、歌舞伎でも代表的な演目の一つで、親獅子が子獅子を千尋の谷に落とすシーンや2人が並んでダイナミックに長い髪を振り回すシーンでおなじみ。澤越さんは勲麿氏の指名を受けて以降、平田さんと一緒に練習を重ね、本番まで1カ月を切ったいま、平田さんは「振りはほぼ100%完成しました。あとは細かい動きやいかに集中して気持ちを高められるか。30分以上の大ネタですが、持ち前の舞台度胸で乗り切ってほしいですね」という。
澤越さんは「勲麿師匠に指名をいただいたときはすごくうれしかったけど、本当に自分に務まるのかという不安の方が大きいです。本番では勲麿師匠に迷惑をかけないよう自分のできることをしっかりと出しきり、妃鶴先生やお客さんに喜んでもらえるよう頑張ります」と話している。
平田さんは、鷺が娘に姿を変え、静けさと華やかさ、哀切を伴う幻想的な長唄「鷺娘」を演じる。
写真=本番に向け、平田さん(奥)と「連獅子」を稽古する澤越さん

