先日、日高高校と附属中学生の生徒を対象にした駐日トルコ共和国大使ハサン・ムラット・メルジャン氏による講演会が開かれた。メルジャン大使は1890年に起こったエルトゥールル号事件について、トルコと日本の友好関係について語った。

 エルトゥールル号事件は1890年(明治23)9月16日にオスマン帝国(一部は現在のトルコ)の軍艦エルトゥールル号が台風による強風で座礁、沈没。現在の和歌山県東牟婁郡串本町沖にある紀伊大島(大島村)では、生存者の保護と遺体収容のため、村を挙げて懸命に対応。その後救出された69人は治療を受け、トルコへ送還された。当時の国内ではこのことが大々的に報じられ義援金も多く集まり、惨事ではあったが両国の友好の原点となった。

 メルジャン大使は、「真っ暗な夜中に血まみれで言葉も通じない異国の人が皆さんの家を訪ねてきたらどうしますか? 大島の人たちは自らの命を危険にさらすかもしれないのに、助けるために手を差し伸べてくれた」と当時の日本人の対応にあらためて感謝の気持ちを示した。

 事件からことしで130年となるが、話は風化することなく伝えられ、両国の友好も変わることなく続いている。利害関係でつながれた国と国との友好は、その関係が失われるときに崩れる可能性がある。しかし人の絆でつながれた友好関係は、あらゆる困難を乗り越えて後世まで続いていく。

 日高高校ではスーパーグローバルハイスクール事業の一環で、生徒たちが世界に飛び出してさまざまな国と交流を進めている。高校生同士が友情をはぐくみ、トルコと日本の関係のような友好の原点となる絆を紡いでほしい。(城)