前回の小欄に続き印南町樮川の話題。先日、山頂を通る黒潮フルーツライン沿いの「みはらし峠」という広場を取材した。詳細は既報の通りで、美しい自然の景色が望める絶景ポイント。東を向けば連なる山々、西を向けば水平線が広がっている。美山に住む筆者も普段は山の上からの景色を拝むことはなく、心が洗われるような壮大な眺めに感動した。
その景観にほれ込んだ地元有志がサクラやモミジの植樹、木製ベンチの設置などを進めている。資金はアルミ缶回収で集めるなどして、9年越しでコツコツと整備。訪れた人から「いい場所ですね」と喜んでもらえるのをやりがいに、ひたすらボランティア精神で頑張っている姿には頭が下がる。
観光振興を進めるには、まず住民が地域の魅力を知ったうえで、発信していくことが大切だと言われるが、たいていそこに長く住んでいる人には、素晴らしい景観でも慣れてしまい、その魅力を感じることが難しい。印南町も同じで、まちに大きな観光資源はないという人もいるが、そうではない。海や川で魚釣りができるし、山に入れば山菜採り、美しい空気もあれば、澄んだ夜空に満天の星空も見える。都会に住む人からすればそれは大きな魅力。観光客や移住者を呼び込むには、その魅力に地元住民が気付き、どのように磨きをかけて発信していくか、である。
そういった意味で、大自然の風景の魅力に気付き、広場整備で磨きをかけているみはらし峠は成功事例。今年も元日には初日の出を拝もうと約60人が訪れたそうだ。筆者としては地域の魅力発掘や発信に、記事を通して少しでも力になれればと思う。(吉)

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