知人から預かった400万円を超える現金を着服したとして、御坊署は8日、御坊市自治連合会会長の無職の男(75)を=同市島=横領の疑いで逮捕した。容疑を否認しているという。

 調べによると、男は祖父が亡くなった市内の知り合いの男性から遺産分割について相談を受け、男性の親族との間で話を進めるとして昨年2月13日、市内の金融機関で遺産分割のために祖父名義の定期預金等を解約して出金した現金約438万円を預かったが、その後、返すよう求められたにもかかわらず、預かったこと自体を否定し、横領した疑い。男性の解約・出金に付き添い、その場で封筒に入れた現金を預かったとみられている。

 被害に遭った男性は母親の知人を通じて男を紹介され、信用してお金を預け、その後に手製の預かり証も受け取っていたが、遺産分割の手続きが一向に進まないため、返金を要求。弁護士に相談して委任を解除、10月10日に警察に被害届を提出した。

 男は「一緒に金融機関へ行ったが、お金は預かっていない」などと容疑を否認。御坊署は着服した現金の使途を調べている。

 男は2002年に御坊市学園前町内会、05年に御坊市自治連合会、16年に県自治会連合会の会長となり、現職。昨年6月から全国自治連合会の副会長も務めている。