みなべ町で、認知症の人をサポートする「みなべ捜索百人力の会」(松根伸代表)が発足した。自宅を出たまま行方不明になった人の早期発見を目指す有志の会で、捜索に威力を発揮するのがスマートフォン。民間会社が開発した「みつけて.net」のアプリをダウンロードするだけで、不明者が持つ電波発信機をキャッチ。同会ではアプリと発信機の普及を目指しており、「スマホでできる人助け」へ協力を求めている。

 会の中心は、南部公民館で活動しているパソコンサークルのメンバー7人。町内で認知症の人が行方不明となったことがきっかけで、「自分たちにもできることはないか」と話し合ったところ、講師からスマホ等のアプリがあることを教わり、広める活動を展開していこうと百人力の会を発足させた。

 みつけて.netは、ビーコンと呼ばれる電波発信機を持った人が半径50㍍を通ったときに電波を拾うアプリ。キャッチしたときに画面表示されるほか、電源がオフになっていても時間と場所が民間会社のセンターに通知され、不明者が何時何分にどの場所を通ったかの軌跡をたどることで早期発見につなげるシステム。希望者が気軽にビーコンを持てる環境づくりと、よりきめ細かく電波をキャッチするために、アプリを入手している地域の人を増やすことが重要なポイント。アプリは無料で、ダウンロードしておくだけで、家にいても捜索に協力することになるのが最大の特徴となっている。

 百人力の会では、認知症の症状がある人のうち、希望する家族を対象に町がビーコンを貸し出しできるような取り組みをしてほしいと、小谷芳正町長に要望書として提出。今後、アプリをダウンロードしてもらうよう地域住民に協力を依頼していく。

 全国で昨年、認知症と思われる人の行方不明は約1万7000人にのぼり、うち見つけられなかった人が約140人といわれている。松根代表は「1分1秒でも早く見つけることが不慮の事故の回避につながる。スマホにダウンロードしておくだけで、特別なことは何もしなくていいので、ぜひ協力してほしい。町にも活動の理解をお願いしたい」と話している。

写真=アプリのダウンロードを呼びかける松根代表㊨ら