プロ野球、阪神タイガースのドラフト1位ルーキー・近本光司外野手(24)。1年目の今シーズンは142試合に出場。新人では歴代3位となる159安打を放ち、36盗塁で盗塁王にも輝いた。長嶋茂雄氏のセ・リーグ新人最多153安打を塗り替えた数字は立派なもので、巨人ファンから見てもあっぱれの成績と思う。

 昨秋、ドラフト会議で1位指名を受けたときはまだ無名の選手。社会人出身で即戦力として期待通りの活躍ができるのだろうかと思ったが、シーズンが終わってみればそれも余計な心配だった。終盤は小柄な体の割にパンチ力のある打撃と、自慢の俊足でチームの快進撃をけん引。大逆転でのクライマックスシリーズ進出に大きく貢献した一人といっていいだろう。ルーキーで、素晴らしい記録を残すのは大変難しいこと。何がよかったのか。とくに盗塁について大切にしているポイントを説明していたインタビューを聞いたので、要点を紹介したい。

 技術的には「3S」がある。英語表記で「スタート」「スピード」「スライディング」の頭文字をとったもので、素人でも「なるほど」と思う。ルーキーイヤーで盗塁王の快挙を達成した近本選手はそれよりも「走ろうとする勇気」が大切と力説。そもそも次の塁を奪うことを試みなければ盗塁を記録できない。「走ろうとする勇気がないと、いいスタートも生まれない」と、チャレンジ精神の大切さを強調していた。

 球界一の俊足でも、思い切ってスタートを切れなければプロの世界では通用しない。球界に限らず、一歩を踏み出す勇気は重要であり、それがなければ結果を残すことは難しいということだ。(賀)