安倍晋三首相は11日、内閣改造と自民党役員人事を行い、幹事長に二階俊博衆議院議員(80)=和歌山3区・当選12回=の留任、参議院幹事長に前経済産業大臣の世耕弘成参議院議員(56)=和歌山県選挙区・当選5回=の新任が決まった。「安定と挑戦の強力な布陣」を掲げた安倍政権の重要ポストに和歌山からそろっての起用で、一層の活躍が期待されている。
この日、午後の内閣改造に先立ち、午前中に臨時総務会が開かれ、党役員人事が正式決定した。
二階氏は2016年8月、谷垣禎一前幹事長が自転車事故で入院したのを受け、幹事長に就任。首相の党総裁3選を主導し、4選の可能性にも言及。二階派(志帥会)を率いて、与野党を超えた人脈もあり、政権の安定に重鎮の力が必要と判断された。幹事長は今回で4期目。今年8月3日時点で、幹事長の連続在職日数が1096日となり、歴代最長記録を更新。今回、続投となったことで、故田中角栄氏が持つ通算在職日数歴代最長の1497日更新も視野に入ってきた。
留任に際しては「公明党と協力しながら政治の安定と日本の新しい時代を切り拓くため、挑戦し続けたい。私の政治の師である田中角栄元総理は『政治は一人の力ではできない』とおっしゃっており、総力結集でこの難局を乗り切りたい。和歌山県民の支援に対する感謝を胸に、これまで同様、故郷和歌山の発展に全力を尽くす」と決意を新たにしている。
世耕氏は12年12月、第2次安倍内閣で官房副長官に就任、16年8月から経済産業大臣を務め、首相の側近として手腕を発揮。国内外をフットワーク軽く飛び回り、各国からの信頼も厚い。今回就任した参議院幹事長は、参議院の仕切り役となる重要ポストで、今年7月から空席だったが、首相は出身派閥の細田派に所属し、自身に近い世耕氏を起用することで、参議院への官邸の影響力を強め、重要政策や憲法改正を有利に進める狙いがある。
写真=左から下村選対委員長、鈴木総務会長、安倍首相、二階幹事長、岸田政調会長