ここ数日、テレビをつけるとアイドルグループV6の一員で俳優としても活躍する岡田准一ばかり目にしていた。昼夜問わず出演していたのは、某テレビ局開局60周年記念で制作され、22日から26日まで放送されるドラマの宣伝のためだった。

 ドラマは「白い巨塔」。大学病院で勤務する2人の対照的な医師を通して、医学界の腐敗を鋭く追及した山崎豊子の社会派小説が原作。映画やドラマで何度も映像化され、有名なところでは、昭和に田宮二郎、平成で唐沢寿明が主演を務めている。原作から50年以上の時を経て、制作された今回のドラマは、令和の時代に即した内容になっているという。例えば、カルテが紙ベースから電子化され、医師はタブレット端末を操作。主役の財前医師は原作では食道がんの開腹手術を得意とするのに対し、腹腔鏡下手術のスペシャリストに。そして患者への対応も変わり、がんの告知は家族から本人へ。現代ではがんは、本人が向き合い、治す病気になっているからだ。

 ドラマのように医療技術・機器、医薬品の進化に加え、検査技術も格段に進歩。「がんは2人に1人がかかる病気」(国立がん研究センター調べ)であり、「早期発見」で「がんは治る」のが現代の常識になっている。しかし、未だ日本人の死亡原因は「悪性新生物」いわゆるがんである。そんな中で、「あなたはがんです」と告知されたら…。本人も家族も、誰もが一瞬目の前が真っ暗になり、動揺するのではないだろうか。メンタルケアを行う機関もあるが、医療技術が目覚ましい発展を遂げても、患者の心は簡単には追いつけない。

 昔から「病は気から」と言う。難しい局面に立たされたとき、立ち向かえる前向きな精神力を養いたいものだ。(陽)