20代の頃、何をしていただろうか。名古屋の大学を卒業して、日高新報に入り、記者として各地を飛び回っていた。仕事柄、いろんなことを見たり聞いたりしたとは言え、所詮は小さなまちでの話。当然、「井の中の蛙大海を知らず」である。かといって、地元から離れて別の場所で仕事に就こうとか、何か新しいことにチャレンジしようとかいう決心や勇気もなかったように思う。
先日、世界58カ国を自費で巡り、各地の美しい風景などをカメラに収めて写真展を企画している日高町小池の木村宜樹さんを取材した。和歌山高専を卒業後、会社勤めをしていたが、25歳の時に「もっと世界のいろんなことを経験したい」と退職して、世界一周の旅に挑戦。言葉の壁もある中での一人旅。木村さんは路上で外国語の発音に漢字を当てた書を販売したり、ギターの弾き語りをしたりして資金集めをするなど、なかなかたくましい。ノートパソコンが入ったバックパックごと盗まれたこともあったが、めげずに旅を続け、無事今月11日に帰国。それだけにとどまらず、今度は自身初のクラウドファンディングを使って大阪・東京・札幌・福岡の全国4都市で写真展を開催するのである。
その度胸や行動力、粘り強さには関心させられるばかり。若いがゆえに出てくるエネルギーなのだろうか。かといって筆者が若い時にそんな行動力はなかったし、いまも「もう歳だから」と言い訳をつくって自分を守ってしまう。「世界を知って、世界の知らないこと、知りたいことがさらに増えました」と木村さん。若者のあくなき探求心と行動力は周りの人にもいい刺激になるだろう。(吉)


