御坊日高を舞台に撮影される映画「ソワレ」の先行取材会が和歌山市で開かれ、取材した。「御坊で映画を撮ってくれることになりそう」と、撮影実現の立役者の一人である関係者から話を聞いたのが1年半ほど前だった。昨年夏にはメガホンを取る外山文治監督が日高入りして脚本の構想を練った。外山監督が海外映画祭で受賞経験のある実力派だとその時に知り、本格的な映画になりそうだと感じた。その後、地元では官民が一体となった映画プロジェクト実行委員会が立ち上がり、機運は右肩上がり。

 そこへきて、企画と制作が、テレビや映画、舞台で活躍している俳優の豊原功補さん、小泉今日子さんらが昨年9月に立ち上げたばかりの「新世界合同会社」となれば、期待は高まるばかり。新世界合同会社として記念すべき第1作で、会見に出席した豊原さんからは作品にかける熱い思いが伝わってきた。

 若い男女の切ない恋の物語になるという。キャストも発表され、主演は若手実力派の村上虹郎と、オーディションで選ばれた芋生悠。村上虹郎は、俳優村上淳と歌手のUAの子どもで、UA世代の筆者はそれだけでも応援したくなる。夏に撮影が始まると、豊原さんや小泉さんの姿を見る機会も増えるだろう。いまから待ち遠しい。

 地元の人が、身近すぎていままで気づかなかったわがまちの魅力を再発見する機会になるかもしれない。地元に誇りを持ち、魅力を生かすこと、それは地域活性化の第一歩になる。映画の力を借りつつ、このチャンスをものにするのはやはり地域住民のやる気だろう。御坊日高博覧会(おんぱく)等で育っている活性化の芽がさらに膨らむ、花開くきっかけになると願っている。(片)