まさに激戦という言葉が当てはまる、大接戦となった県議選御坊市選挙区。共産党新人の楠本文郎氏が自民党現職の中村裕一氏をわずか247票差で破った。1人区で共産党が議席を獲得するのは全国でもまれという。御坊市の共産党の組織票は千数百票とされる中で、6193票を獲得したのは、御坊市議として約35年間の活動で積み重ねた経験や人脈、人柄が多くの市民に浸透していた結果といえるだろう。3年前の市長選で保守が二分し、相手側の組織が固まり切らなかったという追い風もあった。
選挙取材を通じて、多くの市民の意見を聞くことが出来た。「楠本さんは好きだが、共産党には任せられない」「御坊のことを考えたら、やはり自民党の中村さん」「党は関係ない、楠本さんなら任せられる」などさまざまあった。どちらを支持するかの有権者アンケートではほぼ互角。まだ決めかねている、最後まで悩むと思うという人が多かったのも特徴だった。結果から見れば、最終的に楠本氏個人への期待票が集まり、相手をわずかに上回った。その期待に今後、どうこたえていくか、楠本氏の腕の見せどころだろう。
有権者が関心を持ち、1票を投じるまでにまちのことを考えた、今回の選挙の大きな意義の一つ。投票率が1年半前の衆院選より2㌽以上アップしたのは有権者の関心が高まった表れである。県議選だろうが市長選だろうが、国政選挙だろうが、当選者は住民の代表、代弁者であり、主役は住民であることに変わりはない。選挙が終わっても、まちづくりへの関心を持ち続けることが、まちをいい方向へと向かわせるし、当選者を育てることになる。このことは忘れないでおきたい。(片)


