毎年、3月には楽しみな舞台鑑賞の機会がある。日高高校・附属中合唱部、日高高校箏曲部の定期演奏会だ◆合唱部の定演は17日夜に開かれ、ミュージカル「アラジン」をはじめ練習の成果を保護者らに披露した。まっすぐな心のアラジン、勇気ある王女ジャスミン、パワフルでコミカルなランプの精ジーニー、存在感のあった悪い大臣ジャファー、愛敬たっぷりの側近イアーゴ、人のいい国王、それに歌声のハーモニーとダンスでステージを盛り上げる侍女や商人たち。総勢12人がそれぞれの役になりきり、個性を十二分に発揮しながら大ホールのステージにアラビアンナイトの世界を繰り広げる。オリジナルの脚本も分かりやすく、最初から最後まで観客の心を物語に引き込んでいた◆箏曲部の定演は、きょう21日午後1時半開演。こちらは創部50周年の記念すべき舞台となる。部員数は近年一桁の年も多く、ことしは9人。国際的に活躍する尺八奏者田嶋直士さんとの共演もある。入学して初めて触れた日本の伝統楽器を、数曲を奏でられるまでに弾きこなす。そのために一心に稽古に打ち込む、その姿勢が音に表れ、他のコンサートでは味わったことのない「凛」とした音を聴くことができ、いつも楽しみにしている◆縦のつながりが強いのも、両部が持つ力の一つ。合唱部のフィナーレではOB・OGも一緒にステージに立ち、力強く「翼をください」をうたった。箏曲部はOGが振袖で演奏に加わる場面がある◆9人、12人という人数は、高校の部活としては少ない。だが、人の心に感銘を与えるのは人数の多寡ではなく、その一つのステージに込められる思いの強さ。プロの舞台とは一味違う感動が、そこにはある。(里)